井戸で鳴く黄金色のにわとり


 井戸で鳴く黄金色のにわとり17


三十分後。
大雨により、城の火も消えました。
「やれやれ」
「火が消えてよかった。
あのまま火が燃えていたら、わし
らは全滅じゃ」
城の中にいた人々は、ほっと胸を
なでおろしました。



しかし、油断はできません。
いつまた、織田軍がせめてくるか
わかりません。
気がつくと、空はからっと晴れて
いました。
太陽も顔をだしています。



「それっ、今だ。気をひきしめ、
再び大島城をせめろ」
信忠は、兵士たちにむかってさ
けびました。


             つづく



    前回の分は、こちら


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100919#p2



    初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100904/#p2



「井戸で鳴く黄金色のにわとり」
は、信州の伊那谷にあった「大島
城」に伝わっている話。
その話をヒントにして、みほようこ
が書いたもの。