井戸で鳴く黄金色のにわとり18
「おぅー」
「おー」
三河軍の兵士たちは大声をあげ、
再び大島城をせめてきました。
火のついた矢が、あちこちから
とんできます。
城に、また火がつきました。
そして、城内は、たちまち火の
海になりました。
矢だけでなく、火のついた石も
とんできます。
「きゃぁー」
「助けてー」
城内にいた人々は、安全な場所
をさがし逃げまわりました。
姫も、こっこを胸にだき、城の
中をあちこち逃げまわりました。
どこへ逃げても、城の中は火の
海でした。
つづく
前回の分は、こちら
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100920#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100904/#p2
「井戸で鳴く黄金色のにわとり」
は、信州の伊那谷にあった「大島
城」に伝わっている話。
その話をヒントにして、みほようこ
が書いたもの。