瑠璃寺の青獅子


  瑠璃寺の青獅子7


不動明王の像は、滝のしぶきが
舞いおちる岩壁にほりこまれて
います。



滝の高さは、約三十メートル。
幅は、約十メートル。
滝の上部には、千畳敷とよばれ
る巨大な一枚岩がありました。



晴れた日には、滝に虹がかかり
ます。
男は、滝にかかる虹をみた時、
「なんて美しい虹だろう」と思
いました。



虹をみていると、汚れてしまっ
た心が、きれいに洗われるよう
な気がしました。



男は、獅子頭を彫るための木を
探しに行きました。
生きているようにみえる獅子頭
を彫るためには、どんな木でも
いいというわけにはいきません。


             つづく



     前回の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20101010#p1



     初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20101005#p1



「瑠璃寺の青獅子」は、信州の伊
那谷にある「瑠璃寺」に伝わって
いる話をヒントにして、みほようこ
が書いた物語。


物語の無断転載・再配布を禁止し
ます。