愛犬「りゅう」 ばいばい、またね


 愛犬「りゅう」 ばいばい、またね 6


ぼくは先生にだかれて、その家へ入って
いった。
「まあ、かわいい犬」
奥さんはそういって、ぼくをやさしくだ
いてくれた。
やさしそうなめがねをかけた人だった。
やさしそうに見えたけれど、本当はきび
しい人だということを、ぼくは後で知った。



車にゆられてきたので、ぼくはおしっこ
がしたくてたまらなかった。
「くぅーん、くぅーん」
「おしっこがでちゃうよぉー」
ぼくはひっしで知らせたが、奥さんには
通じなかったみたい。



ぼくはこらえきれなくなって、奥さん
手の中へ、おしっこをしてしまった。
「ああ、はずかしい」
でも、しかたがない。こらえきれなかっ
たのだから。
「あら、おしっこ・・・」
奥さんはあわててぼくを下へおろした。


            つづく



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