古事記神話「古事記物語」


 伊耶那岐命と伊耶那美命 20


しかし、末っ子の須佐之男命は、
父のいいつけを守らず、長いひげ
がみぞおちのあたりまで届くほど
に成長しても、毎日泣きわめいて
いました。



「わぁーん、あーん」
須佐之男命が赤ん坊のように大声
で泣きさけぶので、青々した山の
草や木が枯れてしまいました。
また、火がついたように大声で泣
くので、川や海の水もひあがって
しまいました。



須佐之男命の泣き声を聞いた悪神
たちが、あちこちであばれだし、い
ろいろな災いがおこるようになり
ました。


       つづく