古事記神話「古事記物語」


  大国主命の試練 11


「おーい、頭のしらみをとってくれ」
大国主命が、命の長い髪をかきわけ
ると、しらみではなくたくさんのむかで
がたかっています。
困ったなと思っていると、須勢理比売
がそばへ来て、椋の実と赤土をわたし
てくれました。



「これでどうするの」
大国主命は、須勢理比売に目でたず
ねました。
すると、須勢理比売は、身ぶり手ぶり
で「こうするのよ」と、教えてくれました。



大国主命は、椋の実を一粒ずつかみ
くだき、赤土を少しずつ口の中でとかし、
「ぺっ、ぺっ」とはきだしました。


        つづく