古事記神話「古事記物語」


    海彦山彦 5


「何、つり針をなくしたと。あのつ
り針は、ただのつり針ではない。
その日とりたいと思っている魚が
つれるふしぎな力を持っているつ
り針なのだ。許さん。明日、海へ
行って、なくしたつり針をさがして
こい」
海彦が大声で怒りました。



次の日。
山彦は海へ行き、つり針を探して
歩きました。
でも、つり針はみつかりません。
「兄さん。一日中、つり針を探し
たけれどみつからなかった。ごめ
んなさい」
「つり針がみつかるまで、毎日海
へ行き探してこい」
海彦は許してくれません。


         つづく