豊玉比売 3
侍女は、その玉をとろうとしまし
たがとれません。
しかたがないので、そのまま豊玉
比売に瓶を渡しました。
「外に誰かいるのですか」
「はい。桂の木の上に、立派な青
年がおります。海の神のような、
高貴な感じのするかたです。その
かたが水を求めたので、水をさし
あげました。
でも、そのかたは水を飲まずに、
玉を瓶にはきいれたのです。玉を
とろうとしましたがとることがで
きません。それで、そのまま持っ
てきました」
「どなたかしら」
豊玉比売は、外に出てみました。
つづく