竹取物語


 石上の中納言と燕の子安貝 7


日が暮れたので、中納言は、例の
大炊寮(おおいづかさ)へ行き、
燕の巣をみました。
倉津麻呂が教えてくれたように、
燕が尾を上にあげまわっています。



「燕が、卵を産むぞ」
中納言は、家来を荒かごに乗せ、
綱で吊りあげました。
そして、巣の中に手を入れさぐらせ
たが、「何もありません」と家来が。
「おまえの探り方が悪い」
中納言は、腹をたてました。


         つづく