竹取物語


 石上の中納言と燕の子安貝 10


中納言が目をさましたので、やっ
とのおもいで、鼎の上から中納言
を下へおろしました。



「大丈夫ですか」
「意識は少しあるが、腰が痛くて
動けない。でも、わしは子安貝
とったので、うれしい。とにかく
あかりを持ってきてくれ。子安貝
をみたい」
中納言が、手を広げてみると、子
安貝ではなく、燕の古い糞でした。


        つづく