竹取物語


帝のお召しに応じないかぐや姫 20


今月の十五日に、月の国から迎
えにくることになっています。私
は、月に帰らなくてはならないの
です。二人がこのことを知ったら、
悲しむだろうと思い、この春以来、
悩んでいました」
そういって、姫ははげしく泣きま
した。



「姫、何をいうのだ。竹の中で、姫
をみつけた時には、三寸位だった
のに、今ではじいの身の丈と同じ
位になった。じいが大切に育てた
姫を、誰が迎えにくるというのだ。
そんなことは、じいが許さん。もし
そんなことになったら、じいが死
にたい」


          つづく