女神さまからのおくりもの

[童話]女神さまからのおくりもの


女神さまからのおくりもの 59


第四章 ゆうすげの花咲く高原で 10


「こんなにたくさんの日光きすげを
見たのは、初めて。今年の花は、み
ごとね」
「おらも、初めて。まるで黄橙色の
山みたいだね」
二人は、白駒の背からおりると、日
光きすげが咲いている高原を歩きま
した。


「きよちゃん。白駒のことを、聞い
てもいい?」
「いいわ。改まって、何」
「白駒って、何才になるの」
「白駒は、私が七才の時に、わが家
へきたの。だから、十才かな」


     つづく