[童話]小さな音楽会
小さな音楽会 7
ひろはおもちゃのピアノをいじることはあっても、
ドとか、ラとか、でたらめにキィーをおすだけで
した。
その日から、ひろはおもちゃのピアノで、きいた
曲をひけるようになったのです。
神様はみえない目のかわりに、ひろに素晴らしい
耳をプレゼントしてくれたのかもしれませんね。
四才の誕生日に、おとうさんはひろに、本物のピ
アノをプレゼントしました。
ひろは、小さな手で一生けんめいピアノをひきま
した。
「ひろはピアニストになれるかもしれない」
おかあさんはふとそう思いました。
つづく