童話「竜の姿をみた少女」は、みほようこの
二冊目の童話集・「竜神になった三郎」の続
編。
「竜の姿をみた少女」より
心から信じていた人にうらぎられるのは、本当
につらいものじゃのぅ」
おじいさんは、兄たちにうらぎられた時のこと
を思いだしたのか、つらそうな顔をしました。
「おじいさんは、なぜ兄さんたちにうらぎられ
たの」
「兄たちは、わしにやきもちをやいたのじゃ。
わしの妻は、とても美しい人じゃった。姿が美
しいだけでなく、心のやさしい人だったのじゃ。
その上、働き者じゃった。
妻は朝から晩までよく働いてくれた。だから、
兄たちはわしがうらやましかったのじゃろ」
「おじいさんは、兄さんたちにうらぎられた時、
どうしたの?」
「わしは、兄たちにうらぎられたと知っても、
なぜか兄たちをうらんだり、にくんだりすること
ができなかった」
「あんなにひどいことをされたのに、おまえは少
しも兄たちをにくんでおらぬ。なぜじゃ。
わしを助けてくれた神様は、そういったけれど
・・・ね」
・ 竜の姿をみた少女 1
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20060311
・ その2
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20060312
・ その3
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20060313
・ その4
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20060315
・ その5
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20060316
- 作者: みほようこ,長野ひろかず
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