ふしぎな鈴「小桜姫とふしぎな鈴」3
もう一つの鈴は、桃の実の形をしていて、中に
入っている鈴も、少し大きめです。
「リーン・リーン・コロンころん」
なんともいえない良い音がします。
和紙でできていて、あどけないこどもの顔がかい
てありました。
姫が十才になった春のある日。
姫は庭へでて、満開の桜をじっとながめていました。
そして、おとうさんからもらった桜の鈴を、何回か
ふってみました。
「リーン・リーン・リーン・・・」
姫が七回鈴をふった時、どこからか話し声が聞こえ
てきました。
「誰だろう?」
あたりをみまわしましたが、誰もいません。
じっと耳をすませて聞いていると、桜の花がこんな
おしゃべりをしていました。
「小桜姫さまってね、・・・女の子だけど・・・小
鳥やちょうが・・・大好きなんですって」
「そういえば・・・姫のおとうさまも・・・小鳥が
好きですものね」
「そうそう、小桜姫さまはね、・・・不思議な鈴を
・・・もっているですって」
「不思議な鈴って・・・どんな鈴なの?」
つづく
「花のほほえみ」より ふしぎな鈴
リーン・リーン・リーン…。
500年の時をへて、心やさしい小桜姫と現
代の少女を結ぶ、美しい鈴の音が聞こえる。
風の神様が、そっと教えてくれたお話。
「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の本。
昨年九月、http://www.choeisha.com/
から、発行されました。
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu3.html
- 作者: みほようこ,長野ひろかず
- 出版社/メーカー: 鳥影社
- 発売日: 2005/09
- メディア: 単行本
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