ふしぎな鈴「朝顔のエスカレーター」の章


ふしぎな鈴「朝顔エスカレーター」6


たんぽぽやすみれやれんげの花が、野原一面
に咲いています。
空は真っ青で、黄金色の太陽が、目の前にき
らきらとかがやいていました。
花のまわりを、白や黄や紫のちょうが、ひら
ひらまっています。



はるかむこうに、小高い丘がみえました。
丘の上で、誰かが手をふっています。
かなは丘にむかって、広い野原をどんどん走
りました。
「おとうさんではないかしら」
丘の上で手をふっていた人も、かけおりてき
ました。やはりなくなったかなのおとうさん
でした。



「とうちゃーん」
かなは、おとうさんの大きな胸の中に、とび
こみました。大好きなおとうさんのにおいが、
ぷーんとしました。
「かなー」
おとうさんも、かなをしっかりだきしめました。



雪をみているうちに、かなはこたつの中でうと
うととねむってしまったのでしょうか。




ふしぎな鈴 風の神様からのおくりもの (3)

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