ふしぎな鈴「ふしぎなリュック」の章


  ふしぎな鈴「ふしぎなリュック」3


すると、古杉先生がやってきました。
「かな、何をみているの?」
「先生、あの鳥はなんという名前?」
「ギィーギィーって、鳴いていただろ。あれはね、
こげらという鳥だよ。きつつきの仲間だよ」
先生は、こげらのことをいろいろ教えてくれました。
こげらはこつこつと木の皮をつついています。



先生はかなの横に腰をおろし、いっしょに空をみあ
げました。空には白い雲がぽっかり浮んでいます。
かなは先生と話していると、心の中がぽかぽかと温
かくなってくるような気がしました。
「いつまでも先生と一緒にいたい」
かなはそう思いました。



その時、かなのポケットの中に入っていた鈴が、「リ
ーン・リーン・コロンころん」と鳴り出しました。
ポケットの中で、鈴がうれしそうにおどっているよう
な感じでした。
かなはポケットの中から、鈴をとりだしました。
その鈴をみた先生は、なぜかとてもなつかしい気がし
ました。



「桃の形の鈴、どこでみたのだろうか?」
しかし、どこでみたのか、先生には思い出せませんで
した。
「私はどこかでこの鈴をみたことがある。どこでみた
のだろうか?」
先生は心の中で何度もつぶやきました。
「リーン、リーン、コロンころん」
「リーン、リーン、コロンころん」 
かなは、むじゃきに何度も鈴をふっています。


       つづく




ふしぎな鈴 風の神様からのおくりもの (3)

ふしぎな鈴 風の神様からのおくりもの (3)