ふしぎな鈴「ふしぎなリュック」の章


ふしぎな鈴「ふしぎなリュック」4


すると・・・。           
先生の頭の中に、遠い昔のことが、ぼんやりと浮
かんできたのです。
どこかの海岸・・・おや?この海岸は春行った三
浦半島の海岸にそっくりだが・・・。
白いお城・・・なつかしいなぁ。私はこの城に住
んでいたことがあるような気がする。



乗馬のけいこをしている女性・・・あれ、いつか
こんな光景をみたことがあるような気がする。
どこでみたのだろうか?
うちじにしている人々・・・血まみれになり、な
きさけんでいる人々。
「もしかしたら・・・私は昔三浦半島の城に住ん
でいたことがあったのかもしれない。



そして、かなも私と一緒に暮らしていたのかもし
れない。でも・・・かなはまだ四年生、今このこ
とをかなに話すわけにはいかない。かなが二十才
になったら話そう」
先生は心に決めました。



かなが鈴をわたすと、先生は鈴を手にのせ、じっ
とみていました。
先生が鈴をなでた時、不思議なことがおこりました。
鈴がぴかっぴかっと黄金色に輝きだしたのです。
すると、先生の背中のリュックが、鈴めがけてころ
んところがってきました。
そして、灰色のリュックも、ピカッピカッ、キラッ
キラキラと、黄金色に輝きだしたのです。


        つづく




ふしぎな鈴 風の神様からのおくりもの (3)

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