童話「白駒の池」


信州の佐久地方には、「白駒の池」という美しい湖が
あります。その湖には、悲しい話が伝わっています。
悲しいお話とは・・・? 


童話「白駒の池」は、白駒の池の伝説をヒントにして
みほようこが書いた物語。推敲の途中ですが、読んで
いただきたいと思います。



     「白駒の池」6


「きよちゃん。これからも二人で花をみにこようね。
この高原では、春から秋にかけて、美しい花がいっ
ぱい咲くんだよ」
清太は、うれしそうにいいました。



その後。
きよと清太は、白駒の背にのって、高原へ花をみに
行きました。
春は、座禅草を。初夏には、れんげつつじを。そし
て、真夏には、日光きすげややなぎらんを。秋には、
すすきや松虫草の花をみに行きました。
こうして、二人は、たくさんの楽しい思い出を作っ
ていきました。



八年がすぎました。
きよも、十八才になりました。
きよは、人々がふりかえるほど、美しい娘に成長し
ました。姿が美しいだけでなく、きよは心のやさし
い娘でした。
長者の家では、山の仕事をする人、畑や田んぼの仕
事をする人、台所の手伝いをする人など、おおぜい
の人が働いています。



きよは、その人たちに、きがるに声をかけます。
「長者のおじょうさまは、ほんとうにきさくなかた
だね。ふつうなら、わしらに声なんてかけてくれな
いだろうに」
「おじょうさまは、いつもわしらにごくろうさまっ
て、声をかけてくれる。やさしいおじょうさまだね」
やしきで働いている人たちは、みんなきよが大好き
でした。


つづく



   初めて読んでくださったかたのために



   白駒の池 1

http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20060819



    その2

http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20060820



    その3

http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20060821



    その4

http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20060822



    その5

http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20060823