ライオンめざめる


ライオンめざめる7


びっくりしてふりむくと、杖をついた
白いひげのおじいさんが、後にたって
いました。
「どうしたのじゃ」
おじいさんが、にこにこしながら近づ
いてきました。



「おじいさん、このライオンね、とき
どきうーんうーんってうなるの。なぜ
うなるのかしら」
かなは、おじいさんに聞きました。
「そうか、ちょっとわしにみせてごらん」
おじいさんはロケットを手にのせ、じ
っとみています。
おじいさんがロケットをやさくしなで
た時、ふしぎなことがおこりました。



おじいさんの手の中で、ライオンがだ
んだんに大きくなってきたのです。
二センチくらいだったライオンが、十
センチくらいになり、二十センチくら
いの大きさになりました。
おじいさんは、ライオンをそっと地面
におろしました。
すると、ライオンは足をふんばり、し
っかり立ちあがりました。


                         つづく


「ライオンめざめる」は、みほようこ
四冊目の童話集・「ライオンめざめる」
に収録されています。


「ライオンめざめる」は、風の神様から
のおくりものシリーズ4。
今年十月、「鳥影社」から発行されました。












ライオンめざめる―風の神様からのおくりもの〈4〉 (風の神様からのおくりもの (4))

ライオンめざめる―風の神様からのおくりもの〈4〉 (風の神様からのおくりもの (4))