げら、桜が咲いたよ


     げら、桜が咲いたよ3


おじいさんは、そのこげらに、「げら」と名前を
つけました。
「げらはきているかな?」
おじいさんは、毎日楽しみにして庭を見ます。
げらが姿を見せると、おじいさんは安心しました。
げらは、毎日庭へやってきました。
げらはまゆみの実を食べたり、桜の木にいる小さ
な虫を食べたりして、しばらく庭で遊んでいきま
す。



二週間後、なぜかげらは姿を見せなくなりました。
他の小鳥たちは、毎日きているのに、げらだけは
きません。
「げらはどうしたのだろう?」
おじいさんはげらのことが心配でたまりません。



北風がぴゅーぴゅーと吹く、寒い季節になりまし
た。かたくて小さかった桜のつぼみが、少しずつ
ふくらんできました。
しかし、げらは姿を見せません。
桜のつぼみは、日ごとにふっくらしてきました。
数日後には、花が咲きそうです。


       つづく