黄金色のまゆ玉


     黄金色のまゆ玉5


「そうだ。今度は湖の向こう側へ先まわりして待っ
ていたら、どうだろう」
「おお、そうすれば、うまくいくかもしれないぞ」
青年たちは、湖の向こう側へ先まわりして、明神さ
まを待つことにしました。
でも、明神さまの行き先をつきとめることはできま
せんでした。



そんなある日。
「明神さま。このごろ、奥さんの顔をみかけないけ
れど、奥さんは元気かのぅ」
「ああ。元気じゃよ。妻は用事があって、里へ帰っ
たのじゃ」
「それにしても、長いのぅ。奥さん、どうかしたの
かね」
「どうもしないよ。今に帰ってくるじゃろ」
奥さんのことをたずねると、明神さまはなぜか困っ
た顔をしました。



「明神さまと奥さま、けんかしたのではないかしら。
そして、奥さまが家をでていってしまったのかもし
れないよ」
「まさか・・・」
「あんなに仲のいい夫婦ですもの、けんかなんかし
ないでしょ」


つづく