ふしぎな鈴「じいちゃんとばあちゃん」の章


八月二十日。
今日は、私のおじいちゃんの命日。



月日のたつのは早いもので、おじいちゃん
がなくなってから、37年になります。


おじいちゃん、元気で暮らしていますか?




ふしぎな鈴「じいちゃんとばあちゃん」の章1



かなは、よちよち歩きの頃から、遠くに住ん
でいるおじいさんの家へ、遊びに行きました。
「かなや、かなや」
おじいさんとおばあさんは、初まごのかなを、
かわいがってくれます。



「じいちゃん、まってー」
「ばあちゃーん、かなもつれてって」      
かなは、二人のあとをおい、たんぼや畑へつ
いて行きます。
二人が働いている間、かなはれんげ畑で遊び
ます。れんげの花をつんだり、れんげの花の
上でねころんで、空の雲をながめました。



かなは、丘の上にたっているおじいさんの家
が大好きでした。
おじいさんの家では、蚕をかっています。
蚕室(まゆをとるために蚕を飼う部屋)へい
くと、蚕のにおいがぷーんとします。
かなは蚕が桑の葉を食べる音を聞いて育ちま
した。


      
         つづく



童話「じいちゃんとばあちゃん」は、
みほようこの三冊目の本、「ふしぎな鈴」
に収録されています。




http://www.bk1.jp/product/02593627