ふしぎな鈴「校長先生と桜の鈴」


ふしぎな鈴「校長先生と桜の鈴」6


「そうだったのか…。
かな、おとうさんがそういったのか。
この鈴はね、小桜姫が大切にしていた桜の
鈴だよ。でも…この鈴のことは、誰にも話
してはいけないよ。
かな、この鈴をいつまでも大切にするのだよ」
そういうと、校長先生はゆっくり丘をくだっ
て行きました。



校長先生から桜の鈴をもらったかなは、毎日
りゅうと散歩しました。
「りゅう、りゅうはどこからきたの?」
「ぼくはね、遠い国からきたんだ。
かなさんのおとうさんにたのまれて、この国
へきたんだよ。
おとうさんはね、あちらの国で元気で暮らし
ているから、心配しないでね」
りゅうはそういいました。



りゅうは気の強い犬でしたが、人の気持がわ
かる利口な犬でした。
かなは、りゅうの顔を初めてみた時「この犬
は、とうちゃんの顔にそっくりだ」と思いま
した。



 「校長先生と桜の鈴」の章  おわり


   次は「お月さまの耳かざり」の章。




ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の本。


リーン・リーン・リーン…。
500年の時をへて、心やさしい小桜姫と
現代の少女を結ぶ、美しい鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっと教えて
くれたお話。



「ふしぎな鈴」は、2005年9月、
「鳥影社」から発行されました。
挿絵は、長野ひろかず先生。











「校長先生と桜の鈴」の章の挿絵 (裏表紙)





http://www.bk1.jp/product/02593627