ふしぎな鈴「お月さまの耳かざり」


ふしぎな鈴「お月さまの耳かざり」1


秋のある日。 
かなはりゅうといっしょに、散歩に行きま
した。
りゅうは散歩が大好き。
かなの顔をみると、「散歩にいこう、散歩
にいこう」と、大声でさいそくします。



かなとりゅうは、いつもの道を走ったり、
歩いたり、休んだりしながら散歩しました。
細い道のまわりには、ずっとたんぼが続い
ています。



たんぼにはかりとったばかりの稲が、はざ
(稲を干すためのたな)にかけてありました。
はざのまわりを、赤とんぼがすーいすーいと
とんでいます。



雲ひとつない真っ青な西の空が、だんだんに
うすいクリーム色に変わってきました。
かなとりゅうは、たちどまって西の空をじっ
とみていました。



すると、空の色がうすい橙色から、濃い橙色
になりました。
「なんてきれいだろう」
みていると、もっと美しいあかね色になりま
した。


          つづく



ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の本。


リーン・リーン・リーン…。
500年の時をへて、心やさしい小桜姫と
現代の少女を結ぶ、美しい鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっと教えて
くれたお話。



「ふしぎな鈴」は、2005年9月、
「鳥影社」から発行されました。
挿絵は、長野ひろかず先生。











「校長先生と桜の鈴」の章の挿絵 (裏表紙)





http://www.bk1.jp/product/02593627