きよと清太と、そして白駒


  きよと清太と、そして白駒15


「清太さん。今日は、珍しい花をみる
ことができて、うれしかったわ。
ありがとう」
「どういたしまして。きよちゃん。
これからも、いろいろな花をみにこよ
うね。この高原では、春から秋にかけ
て、美しい花がたくさん咲くんだよ」
清太が、うれしそうにいいました。



その後。
きよと清太は、白駒の背にのり、高原
へ花をみに行きました。
春は、座禅草やすみれを。
初夏には、れんげつつじを。
真夏には、日光きすげややなぎらんを。
そして、秋には、すすきや松虫草の花
をみに行きました。



こうして、二人は、白駒とともに、た
くさんの楽しい思い出を作っていった
のです。


             つづく



信州の佐久地方には、「白駒の池」と
いう悲しい伝説があります。


「きよと清太と、そして白駒」は、そ
の伝説をヒントにして、みほようこ
書いた物語。



登場人物


・きよ  長者の一人娘

・清太  長者の家で働いている少年

・白駒  長者の家の馬