きよと清太と、そして白駒69


  きよと清太と、そして白駒69


きよが、ちょうにみとれていると、ど
こからかやさしい声が聞こえてきました。
「きよ。私は、八ヶ岳に住んでいる女
神です。私の愛馬・白駒を、長い間大
切に育ててくれてありがとう。



白駒も、喜んでいましたよ。
白駒は、私のおつかいをしている馬です。
昼間はあなたの家で暮らし、夜は時々私
の所へ帰ってきていました」



「白駒は、女神さまの馬だったのですね。
白駒が、夜どこかへでかけていることは、
この間清太さんから聞きました」



「そうですか。清太は、八年くらい前から、
白駒がどこかへでかけているのに気がつ
いていたようです。
でも、清太は、そのことをだれにもいえ
ずにいたのですね」


               つづく



信州の佐久地方には、「白駒の池」と
いう美しい湖があります。
その湖には、「白駒の池」という伝説
があります。



「きよと清太と、そして白駒」は、そ
の伝説をヒントにして、みほようこ
書いた物語。