竜の姿をみた少女28
「そう、真に澄むと書いて、ますみ
の玉じゃ。この玉はのぅ、わしが諏
訪地方を守る竜神になった時、妻の
おとうさんからゆずられたものじゃ。
過去や未来がみえる、ふしぎな玉な
のだよ。なくなった人が、あちらの
国でどんな生活をしているか、みえ
るのだよ」
「じゃあ、私のかあちゃんの姿も、
みえますか」
「ああ、みえるとも。おかあさんの
姿がみたいかい?」
「はい」
かなは、大きくうなずきました。
「では、ほんのちょっと、おかあ
さんの姿をみせてあげよう。
しっかり目をあけて、みるのだよ」
そういうと、おじいさんは、玉を
何回かなでました。
「さあ、かな。玉の中をのぞいて
ごらん」
つづく
童話「竜の姿をみた少女」は、童話
「竜神になった三郎」の続編。
童話「竜神になった三郎」は、
みほようこの二冊目の童話集「竜神に
なった三郎」に収録されています。
童話「竜神になった三郎」
http://www.geocities.jp/dowakan/saburou1.html
童話集「竜神になった三郎」
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu2.html
http://www.bk1.co.jp/product/2434727