竜の姿をみた少女


   竜の姿をみた少女32


「おじいさんは、奥さまに会えたの」
「会えたよ。十数年ぶりに、諏訪
湖で妻と会うことができた」
「会えて良かったね。おじいさん。
うれしかったでしょ」



「そりゃあ、うれしかった。
ずっと妻に会いたいと思っていた
からね」
おじいさんは、奥さんに会えた時
の様子を話してくれました。




「奥さまも、しらかば湖へみえる
のですか」
「いや、妻はこの湖へはこない。
妻は、その後この村へ一度もきた
ことがない。悲しい思い出のある
村へは行きたくないといって、一
歩もよりつかないのじゃ。
無理もないがのぅ。つらい思いを
したのだから」



「そうそう、忘れるところだった。
妻に、かなのことを話したら、妻
がかなに会いたいというのじゃ」
「奥さまが、私に?」


             つづく



童話「竜の姿をみた少女」は、童話
竜神になった三郎」の続編。



童話「竜神になった三郎」は、
みほようこの二冊目の童話集「竜神
なった三郎」に収録されています。






     童話「竜神になった三郎」


http://www.geocities.jp/dowakan/saburou1.html




    童話集「竜神になった三郎」


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu2.html



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