鹿になった観音さま18
二週間後。
三郎が、寺へやってきました。
「三郎さ。この間は、世話になっ
たのぅ」
「和尚さま。タケルとチハヤが石
になってしまい、さみしいでしょう」
「二匹の犬は、家族の一員だった
から、さみしいのぅ。
元にもどれるといいのじゃが」
和尚がさみしそうにいいました。
「三郎さ。鹿狩りにはいかないの
かい」
「はい、和尚さま。あれいらい、
わしは鹿狩をやめました。
弓をひくこともしません」
つづく
「鹿になった観音さま」は、立石寺
に伝わっている話をヒントにして、
みほようこが書いた物語。
初めて読んでくださったかたへ
鹿になった観音さま1
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20080606#p1
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