赤い夕顔の花が咲いた47
「おばあさん。つれの者が、こと
わりもなく夕顔の花をとったこと、
おわびいたします。
でも、たった一つ花をとっただけ
で、次から次へとひどいことをい
われるなんて思ってもみませんで
した。
私は、あなたの話を、さっきから
黙って聞いておりました。
城主のうわさは、私の耳にも入っ
ております。
あなたがいわれたようなことを、
城主はおそらくしているのでしょう。
でも、幼いこどもの前で、城主の
悪口をいってはなりません。
私は、あなたを許すわけにはいき
ません。
来年、この家には、真っ赤な夕顔
の花が咲くでしょう」
お万がいいました。
つづく
昨日の分は、こちら。
赤い夕顔の花が咲いた46
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20080920#p1
初めてこの物語を読んでくださった
かたへ
赤い夕顔の花が咲いた1
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20080805#p1
「次の日」「次の日」と押せば、
「赤い夕顔の花が咲いた」を続け
て読むことができます。
「赤い夕顔の花が咲いた」は、
信州の最南端にあった「権現城」
に伝わっている話をヒントにして、
みほようこが書いたもの。