母の短歌2


裏庭に甘き香りの漂ひて

   木犀の花はや咲きはじめぬ




松が枝をたはめて通る台風に

   父の身案ずる子等のいとしき




清々と今日の秋空澄み渡り

   台風一過筋雲たなびく




久々にリズムにのりて踊る夕

   頬輝きて皆美しく見ゆ




新しき毛並み装ひカナリア

   さえずり高く秋の深まる