母の短歌29


なにごとも善意に解して生きゆかむ

   今日の日記にそれのみ記しぬ



明日蒔かむ三色スミレの小さき種

   障子紙濡らしてその上にひたす



標高の高まるにつれて白樺の

   木肌白じら秋日に冴え来ぬ



真向へる縞枯山は秋の日に

   白白縞なし静もりてをり