母の短歌46


一輪のカタクリの花床に飾り茶を点てる

   娘の背に落ちつきの見ゆ








停電の時間だけ遅れしタイムスイッチ進めて

   今日の厨仕事終りぬ



人それぞれに合ひたる交はりも身につきて

   移り住みしより二十四年過ぐ



母に似て太りし姉と父に似て

   痩せたる吾と湯を浴みてをり