母の短歌54


上達なき吾が歌なれど欠詠なきを

   せめてもの救ひとして励みて行かむ



人の命の儚さ思ひ定年を

   来春に控へし君の訃を聞く



庭苔にも心配り汲み取りの

   ホース引く人穏やかなりき



阿智川のせせらぎ聴きつつ囲炉裏火に

   釣り来しあまごを汗垂りて焼く