女神さまからのおくりもの


  女神さまからのおくりもの9


「おじいさん。白駒を、散歩につ
れていっていい」
「いいですよ」
「白駒、散歩に行くよ」
きよが声をかけると、白駒はきよ
の後をおとなしくついてきました。



きよと白駒は、天気の良い日には、
よく散歩しました。



白駒が一才になると、きよは白駒
の背に乗り、八ヶ岳のふもとの高
原を走りまわりました。
白駒は、驚くほど足の速い馬でした。
きよは、こんなに速く走る馬をみ
たことがありません。



白駒は、人の気持がよくわかる、
利口な馬でした。
きよのいうことは、何でもわかる
ようでした。
そんな白駒を、きよと長者は、宝
物のように大切にしています。


              つづく