女神さまからのおくりもの


  女神さまからのおくりもの23


「だって・・・長者のおじょうさまだ
もの」
「たしかに、私は長者の娘よ。
みんなから、長者のおじょうさまと
か、庄屋のおじょうさまってよばれ
ているわ。



でも、私は、おじょうさまというこ
とばが、大きらい。
清太さんには、きよってよんでほし
いの」



「それはそうだけれど。おら、この
家にお世話になった時から、おじょ
うさまってよんでいるし。
急にそういわれてもね」
清太は、とまどっています。



「私は、清太さんのことを、うちの
使用人だなんて思ったことは、一度
もないわ。
私、清太さんのこと、ほんとの兄ち
ゃんだと思っている」



「おじょうさまの気持はうれしいけ
れど、おらはこの家の使用人だから」
貧しい家に育った清太は、さみしそう
にいいました。



「おらも、おじょうさまのこと、ほ
んとの妹だと思っている。
いや、それ以上かな」
清太は、心の中でそっとつぶやきま
した。


             つづく



     昨日の分は、こちら


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     女神さまからのおくりもの1


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