女神さまからのおくりもの56
二人は、時のたつのも忘れ、ゆう
すげの花をみていました。
「きよちゃん。家に帰ろう。
長者が心配しているといけないから」
「そうね。帰りましょう。
今夜は、ゆうすげの花をみることが
できて、うれしかったわ。
清太さん、ありがとう」
「おらこそ、ありがとう」
清太が、笑顔でいいました。
空には、まんまるの月がでています。
星もきらきら輝いています。
用意してきたちょうちんも必要ない
ほどの明るさでした。
二人は、白駒の背にのり、家にいそ
ぎました。
「とうちゃん。ただいま」
「ただいまもどりました。おそくな
ってすみません」
「おかえり。遅いからどうしたのか
と心配していたのだよ」
長者が、ほっとした顔でいいました。
つづく
昨日の分は、こちら
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090325#p1
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女神さまからのおくりもの1