竜神になった三郎


  竜神になった三郎5


真っ黒な長いかみ・色白な顔・赤
いくちびる・澄んだひとみ・すら
りとした体。
娘は、桃色の着物をきていました。
諏訪湖の精のような、美しい娘で
した。



三郎は、今までこんな美しい娘を、
みたことがありません。
「なんて美しい人だろう。
こんな人を妻にできたら、どんな
にうれしいだろう」
三郎は、心の中でそっとつぶやき
ました。



一方、娘の方も、「なんてりりし
いかたかしら。
こんな人の妻になれたら、どんな
にうれしいことか」と思ったのです。
ひとめみた時から、二人とも忘れ
られなくなってしまったのです。


             つづく



    昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090529#p1



    初めて読んでくださったかた


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090526#p1




竜神になった三郎」は、信州諏訪
の「風の神様」から聞いたお話。



竜神になった三郎」は、みほようこ
の二冊目の童話集「竜神になった三郎」
に収録されています。