竜神になった三郎27
すると・・・。
気のせいでしょうか。
「三郎さーん、三郎さーん」
妻のやさしい声が、聞こえたよう
な気がしました。
「おっかあ、おっかあー。
どこにいる。
いたら返事をしてくりょー」
三郎はひっしでさけびつづけました。
「ここよー。私は諏訪湖にいるわー」
妻のやさしい声が、どこからか聞こ
えてきました。
三郎はがばっと体をおこすと、諏訪
湖をめざして進みました。
気がつくと、三郎は竜になっていま
した。
「はぁっ、はっ」
三郎は大きなあらい息をはくと、大
空にまいあがりました。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090620#p1
初めて読んでくださったかた
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090526#p1
「竜神になった三郎」は、信州諏訪
の「風の神様」から聞いたお話。
「竜神になった三郎」は、みほようこ
の二冊目の童話集「竜神になった三郎」
に収録されています。