有明山に住む鬼・八面大王21
「まだ雪が降っておる。この様子
では、今日も一日雪だろう。
こんな大雪の中を、若い娘が歩い
て行くのは無理じゃ。
雪がやむまで、ゆっくり休んでい
きなさい。急ぎの旅かね?」
「いいえ。急ぐ旅ではありません」
「じゃあ、雪がやむまで、何日で
も泊まっていきなさい」
さくが、娘にいいました。
「ありがとうございます。
では、お言葉に甘え、雪がやむま
でお世話になります」
「そうじゃ。雪がとけるまで、何
日でも泊まっていけばよい」
弥助が、ぽつりといいました。
「じゃあ、わしは、これから朝飯
のしたくをするで。ここで休んで
いておくれ」
つづく
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