竜の姿をみた少女10
「三郎さまは・・・いつ・・・みえる
のかしら」
「ぼつぼつ・・・みえるのではない
かな」
「三郎さまが・・・早くみえるとい
いね。
・・・私、諏訪の話を・・・聞きたいわ」
しらかばといぬのふぐりの花が、話
をしていたのでしょうか。
「三郎さまって、だれのことかしら。
竜になった三郎のことかな」
かなは、そう思いました。
それから、二週間がすぎました。
かなは、またしらかば湖へ行き、ぼ
んやり湖をながめていました。
「少女よ。おまえは、ほんとうにし
らかば湖が好きなんだね」
ふりむくと、白いひげのおじいさん
が立っていました。
みたことのないおじいさんです。
白い着物をきて、白い頭巾をかぶっ
た、上品なひとでした。
つづく
昨日の分は、こちら
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20091005#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090927#p1
「竜の姿をみた少女」は、童話
「竜神になった三郎」の続編。
童話「竜神になった三郎」は、
みほようこの二冊目の童話集「竜
神になった三郎」に収録されてい
ます。
童話「竜神になった三郎」
http://www.geocities.jp/dowakan/saburou1.html
童話集「竜神になった三郎」の紹介
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu2.html
http://www.bk1.co.jp/product/2434727