鹿になった観音さま


   鹿になった観音さま15


「タケル、チハヤ。なぜ石になっ
てしまったのじゃ」
そういって、和尚は二つの石をな
でました。



そして、お経をあげました。
二人は、石になった犬たちをつれ
て、寺へ帰りました。



その後。
三郎は、大好きな鹿狩りを、ぷっ
つりやめました。
そして、田や畑など、全財産を寺
に寄進しました。
三郎は、寺の仕事を手伝いながら、
心静かに暮らしました。



一ヶ月後。
和尚は、石になった二匹の犬に、
お経をあげていました。
すると・・・。
「わん、わん、わん」
犬の声がしました。


           つづく



   昨日の分は、こちら


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20091116#p1



   初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20091103#p1



「鹿になった観音さま」は、信州
伊那谷にある「立石寺」に伝わ
っている話をヒントにして、みほ
ようこが書いた物語。