福寿草になった少女


  福寿草になった少女4


二十年が過ぎました。
二人とも、四十すぎになりました。
「もう年だから、こどもはむりね」



「毎日こどものことをお願いして
いるのに、なぜ明神さまは、わしら
の願いを聞いてくれないのじゃろ」
二人は、こどものことを、あきらめ
かけていました。



そんな春のある日。
庭の桜が、満開になりました。
「今年の桜は、みごとじゃのぅ」
「そうねぇ。こんな美しい桜は、ひ
さしぶりね」
二人は、桜の花にみとれていました。



すると。
お手伝いの人が、あわてて長者をよ
びにきました。


           つづく



   昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100128#p1



 初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100126#p1




童話「福寿草になった少女」は、
みほようこの二冊目の童話集「竜神
になった三郎」に、収録されています。

信州諏訪の「風の神様」から聞いた話。