福寿草になった少女5
「だんなさま、だんなさま。
た、大変です」
「何じゃ。そうぞうしい」
「だんなさま、門の所に赤ちゃん
が・・・赤ちゃんがいます」
「何? 赤ちゃんがいると・・・」
「はい、赤ちゃんがいます」
長者と妻は、門の方へ走って行き
ました。
門のそばには、桃色の布で包まれ
た赤ちゃんが、おいてありました。
白い産着をきた、生後一カ月くらい
の女の子でした。
「この子のこと、どうかよろしく
お願いします」
そう書かれた手紙と守り袋が、女
の子のそばに置いてありました。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100129#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100126#p1
童話「福寿草になった少女」は、
みほようこの二冊目の童話集「竜
神になった三郎」に、収録されて
います。
信州諏訪の「風の神様」から聞い
た話。