福寿草になった少女6
長者が守り袋をとりあげると、
「リーン・リーン」と、良い音がし
ました。
中に鈴が入っているようです。
女の子のおかあさんが、お守りの
つもりで、鈴をおいていったので
しょうか。
長者が袋をあけてみると、中に黄
金色の鈴が入っていました。
「おや? 鈴に紋がついている。
この紋はたしか・・・梶の紋。
梶の紋といえば、明神さまの紋じゃが。
この子は、明神さまに関係ある人
のこどもなのじゃろか」
「まさか・・・」
おくさんも鈴を手にとり、ふって
みました。
「リーン・リーン・リーン」
清らかな音色が、あたりにひびき
ました。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100130#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100126#p1
童話「福寿草になった少女」は、
みほようこの二冊目の童話集「竜
神になった三郎」に、収録されて
います。
信州諏訪の「風の神様」から聞い
た話。