福寿草になった少女11
「かあちゃん、なにかお手伝いす
ることない?」
福は、家の手伝いもよくやりました。
「福ちゃん、あそぼ」
近所のこどもたちも、おおぜい遊
びにきます。
やしきの広い庭は、いつも近所の
こどもたちでいっぱいでした。
福は、大勢の人に「福ちゃん、福
ちゃん」とかわいがられ、大きく
なりました。
七才になった春のことです。
「福や、守屋山にはな、雪がとけ
る頃、黄金色の花が咲くというい
いつたえがあるのだよ。
黄金色の花は、春を告げる花だと
いわれている。
黄金色の花をみた人は、一生幸せ
にくらせるそうだ。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100204#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100126#p1
童話「福寿草になった少女」は、
みほようこの二冊目の童話集「竜
神になった三郎」に、収録されて
います。
信州諏訪の「風の神様」から聞い
た話。