黄金色のまゆ玉


   黄金色のまゆ玉6


二月初めのある夜。
青年たちは、今夜も明神さまの後
をつけていました。
湖の真ん中あたりまできた時、「ば
りばりっ、みしっ」という大きな音
がして、氷がわれはじめました。



「わぁー!」
「気をつけないと、湖へ落ちるぞ」
青年たちは、おもわず後ずさりし
ました。
そうしている間に、その夜も明神
さまをみうしなってしまいました。



「今夜こそ、行く先をつきとめら
れると思ったのに、残念だったな」
「それにしても、あぶないところ
だった。
こんな寒い夜湖に落ちたら、しん
ぞうまひで死んでしまうぞ」
青年たちは、とぼとぼと家に帰り
ました。


             つづく



     昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100313#p1



     初めて読んだくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100309#p1



諏訪湖には、「おみわたり」の伝
説があります。
「黄金色のまゆ玉」は、その伝説
をヒントにして、みほようこが書
いた物語。