風の神様からのおくりもの


 風の神様からのおくりもの16


おとうさんとおかあさんは、毎日
まゆにむかって、やさしいことば
をかけました。



ある日、おかあさんは、真っ黒だ
ったまゆ玉が、灰色に変わってい
るのに気がつきました。
そういえば、まゆのひとみも、だ
んだん明るくなってきたような気
がします。



一方、風の神様も、毎日まゆのこ
とを心配していました。
「あーあ、せっかくのまゆ玉が、あ
んなに真っ黒になってしまって…。
かなしいのー。いつになったら、黄
金色のまゆ玉にもどるのだろうか」



「両親は、毎日まゆにやさしいこと
ばをかけておる。
なかなかできないことじゃのー。
そうそう、もっともっとたくさん、
まゆにやさしいことばをかけておやり。
それが何よりの薬なのじゃ」と。


            つづく



   昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100521#p1



   初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100507#p1



「風の神様からのおくりもの」は、
みほようこの初めての童話集・
「風の神様からのおくりもの」に
収録されています。







心を病む兄のために、明神様にお参
りする心優しい少女の話など4編。


信州諏訪の「風の神様」から聞いた
お話。
挿絵は長野博一先生。
心温まる創作童話。


童話集「風の神様からのおくりもの」


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu1.html