かきつばたになった少女17
「かきつばたさんは、まぶしい
くらい美しい。
それに心のやさしい人だ。
おらは、かきつばたさんのよう
な美しい人を、今までみたこと
がない」
「そんな・・・」
「うそだと思うなら、その沼の
水面に、自分の顔をうつしてご
らん」
かきつばたは水辺に行き、自分
の顔を水面にうつしました。
すると、水面にはかわいい顔が
うつっています。
「あら、ほんとうにかわいい顔」
かきつばたは、うっとりしながら、
水面にうつった自分の顔をながめ
ていました。
ところが・・・。
そこへ「ぴゅぅー」と強い風が
ふいてきました。
つづく
前回の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100713#p2
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100627#p2
「かきつばたになった少女」は、
信州の霧ケ峰高原にある八島湿原
に咲いているかきつばたの話。
信州諏訪の「風の神様」から聞
いた話。
「かきつばたになった少女」は、
みほようこの四冊目の童話集
「ライオンめざめる」に、収録
されています。
童話集「ライオンめざめる」は、
2006年10月、「鳥影社」
から発行されました。
童話集「ライオンめざめる」
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu4.html